六波羅蜜 『忍辱(にんにく)』
 
 
お坊さんの修行って…。
いったいどんなことをやっているの?
 
 
そんな質問を受けることがあります。
 
 
普段は特別なことをやっているわけではありません。
(お坊さん向けのカリキュラムのような修行もありますが…。)
 
 
基本的に『日常生活』がそのまま仏道修行という感じです。
 
 
難しいことをやっているわけではないので、
この機会に今日から一週間、
私と一緒に仏道修行をして
素敵人を目指してみましょう。
 
 
 
般若心経というお経の中に、
『波羅蜜(はらみつ)』
とか
『波羅蜜多(はらみった)』
という言葉が頻繁に出てきます。
 
 
おじいちゃんおばちゃんが、
仏壇でぼそぼそとお唱えしていたりして、
耳にしたことがある人もいるかもしれません。
 
 
そもそも、
『波羅蜜多(はらみった)』とは…
悟りの(迷いの無い)世界に到達すること。
という意味です。
 
 
そして、
悟りの世界に到達する為の修行に、
『六波羅蜜』
というのがあります。
 
 
六波羅蜜を簡単に説明すると、
布施・持戒・忍辱・精進・禅定・知恵
の六つの修行のことです。
 
 
今日は、
『忍辱(にんにく)』
についてお話したいと思います。
 
 
 
 
辱めを忍ぶと書いてあります。
 
 
壮絶な言葉ですね。
 
 
私が思うに、
忍辱とは、
『わいてきたネガティブな感情を抑える』
ということです。
 
 
 
私が20代の頃、
少しでもイヤなことがあると
不機嫌な態度で仕事をしていた私に、
上司が言った言葉があります。
 
 
『怒った態度やダルそうな態度で
人前に出るということには、
相手に対する甘えが出てるんだぞ。』
 
『あなたのその態度を相手に許せと
強要しているのと同じだよ。』
 
『そんなことに意味があるのか?
恥ずかしくないのか?
あなたのプロ意識ってそんなものなのか?』
 
 
と…。(-_-)
 
 
プロとして現場に立つ以上、
機嫌を態度に出すなんて、
恥ずかしいことです。
 
 
いまなら、
プロ意識として、
『忍辱』
の意味が少しだけわかる気がします。
 
 
 
ところで、
こんなの見た事ありますか?
 
 
・気は長~く。
・心はまるく。
・腹立てず。
・己は小さく。
・人は大きく。
 
(インターネットで検索すると出てきます。)
 
 
 
その昔、
大人になった一休さんがこんな感じで
菩薩行をわかりやすく説明したそうです。
 
 
これですよ!
これ!
わかりやすい。
 
 
とても大事!
 
 
私たちは油断すると、
器の小さい人間になってしまいます。
 
 
イライラして気が短いのか、
気が短いからイライラするのか?
 
 
そんなにイライラしてどうすんの?
 
 
感情を鎮めて冷静になってみると、
意外とイライラするようなことではなかったりします。
 
 
 
私、思うのですが…。
イライラは多分習慣だと思います。
気を長く持ちましょう。
 
 
心にカドがあると、
人間関係が悪化します。
どうせ歳をとったら
カドなんてイヤでも取れてくるのだから、
まあるい心ですごそうじゃないですか。
 
 
腹が立つのは、
『自分の思い通りに行かない』
と感じているからです。
本当は怒っても仕方がないんです。
 
 
我が強くなると、
自分の都合しか見えなくなります。
相手にも都合と言い分があります。
そのことを忘れてはいけません。
 
 
あなたもこれまで、
きっとたくさん許されてきています。
 
 
他人を認めたり、理解したり…。
そんなことが出来る人間がたくさんいると、
世の中はもっともっとよくなっていくと思いませんか?
 
 
一人一人が人として大きな器を持つことが、
いったいどれだけの幸せをもたらすでしょうか?
 
 
あなたがあなたを小さくしてはいけませんよ!
 
 
怒りの感情が悪いんじゃない、
怒りの感情に振り回されていることに
気が付かないのがまずいんです。
 
 
さっきから怒りの感情で説明していますが、
悲しみや嫉妬でも同じことです。
 
 
 
そんな感じだから、
忍辱の修行って、
ネガティブな感情を
『手放す』修行じゃなさそうです。
 
 
どうやら、
人としての『あり方』をみつめて、
『ネガティブ感情をコントロールする』
修行のようです。
 
 
だから、
歯を食いしばって、
じっくりネガティブ感情を味わってみましょう。
 
 
きっと、ネガティブな感情が
自分の考え癖や習慣から
生まれてきていることに気が付くはずです。
 
 
そして、
なにか気が付いたら、
そこから変えていけばいい。
 
 
さっそく、
 
・気は長く
・心はまるく
・腹立てず
・己は小さく
・人は大きく
 
で生活してみましょう。
 
 
 
感情に振り回されるのは卒業して、
とっとと、
素敵人になっちゃいましょう(笑)