【恵まれすぎてマヒしてるのかも。】
 
 
 
六波羅蜜 『持戒(じかい)』
 
 
お坊さんの修行って…。
いったいどんなことをやっているの?
 
 
そんな質問を受けることがあります。
 
 
普段は特別なことをやっているわけではありません。
(お坊さん向けのカリキュラムのような修行もありますが…。)
 
 
基本的に『日常生活』がそのまま仏道修行という感じです。
 
 
難しいことをやっているわけではないので、
この機会に今日から一週間、
私と一緒に仏道修行をして
素敵人を目指してみましょう。
 
 
 
般若心経というお経の中に、
『波羅蜜(はらみつ)』
とか
『波羅蜜多(はらみった)』
という言葉が頻繁に出てきます。
 
 
おじいちゃんおばちゃんが、
仏壇でぼそぼそとお唱えしていたりして、
耳にしたことがある人もいるかもしれません。
 
 
そもそも、
『波羅蜜多(はらみった)』とは…
悟りの(迷いの無い)世界に到達すること。
という意味です。
 
 
そして、
悟りの世界に到達する為の修行に、
『六波羅蜜』
というのがあります。
 
 
六波羅蜜を簡単に説明すると、
布施・持戒・忍辱・精進・禅定・知恵
の六つの修行のことです。
 
 
今日は、
『持戒(じかい)』
についてお話したいと思います。
 
 
 
 
持戒とは、
『約束を守ること』
をいいます。
 
 
何の為に約束を守る必要があるのでしょう?
 
 
この人間社会で、
約束を守らないとどうなるでしょうか?
 
 
おそらく大変なことになります。
 
 
よくよく考えると、
世の中はルールとマナーで成り立っています。
 
 
この『ルール』と『マナー』を
仏教では『戒律』といいます。
 
 
 
ルール … 律 
 
(みんなで協力して生きていく為に必要。
法律など破れば罰せられるもの)
 
 
マナー … 戒
 
(自分の欲望をコントロールするために必要。
守らなくても罰せられない)
 
 
 
律(ルール)は守らないとペナルティがあります。
だから、わりと守りやすいのですが、
 
 

戒(マナー)は自分との約束です。
油断すると簡単に破ってしまいます。
 
 
つまり、
持戒とは約束をしっかり守って、
欲望をコントロールするということです。
 
 
自分との約束は、
自己成長や自己実現の為にすることです。
 
 
勉強やダイエット、
時間を管理したり、
よい習慣を身につけるためにやることなど、
戒めを待つ必要があることは
意外と多かったりします。
 
 
実際、自分との約束は、
誘惑に負けてしまって、
なかなか守ることが難しかったりします。
 
 
自分をコントロールできる人って、
本当にカッコいいですよね…。
 
 
がんばって、
ちゃんとやりましょう(笑)
 
 
 
仏教では、
『十善戒』
というものがあります。
 
 
それぞれに、
身の行い、
口の行い、
意(心)の行い
を戒めています。
 
 
 
身の行いの戒め
 
・不殺生(ふせっしょう)
 故意に生き物を殺さない。
 
・不偸盗(ふちゅうとう)
 盗まない。勝手に自分のモノにしない。
 
・不邪淫(ふじゃいん)
 不倫をしない。不誠実な異性関係を持たない。
 
 
 
口の行いの戒め
 
・不妄語(ふもうご)
 嘘をつかない。
 
・不綺語(ふきご)
 中身のないきれいごとを言わない。
 
・不悪口(ふあっく) 
他人の悪口を言わない。罵らない。
 
・不両舌(ふりょうぜつ) 
他人を仲違いさせるようなことを言わない。
 
 
 
意(心)の行いの戒め
 
・不慳貪(ふけんどん)
 欲望に流されない。
 
・不瞋恚(ふしんに) 
怒りに流されない。
 
・不邪見(ふじゃけん) 
誤ったモノの見方をしない。
 
 
 
ぐさりとくる人もいるかもしれません。
 
 
たしかに、
すべてを守ることは難しいかもしれません。
 
 
しかし、
心に留めておかないと、
欲望に流されて堕落してしまいます。
 
 
十善戒を念頭において、
欲望をコントロールして、
自分との約束くらい、
しっかり守れる素敵人になりましょう…。
 
 
 
本当にカッコいいって、
たぶんそういうことだと思います。